インナーヒルズの愉快で心がはずむ旅行記

写真/動画による旅行先での非日常的体験の記録

MENU

北欧ノルウェイに残る壮大なブリクスダール氷河

いざブルクスダール氷河へ

 氷河というと前時代的な印象を受けますが北欧などに行けば今でも現実に存在しています。ただ地球温暖化の影響を受け急速に解けていっている事も事実です。

 ブリクスダール氷河は観光客が氷河のすぐ前まで行くことができて、そのダイナミックな状態を自分の目で直接確認できる氷河としてずいぶん前から観光地になっている所です。

 このブリクスダール氷河に来たかったのが今回北欧に来た理由の一つです。とにかく地球温暖化ですっかり解けてしまわない内に来たかったのです。

 フェリーが到着したヘレシルトの港には、海に流れ込んでいる川があるのですが、その川の水量が半端ではなく、流れ込む時の轟音と共に相当な水量が流れこんでいる様子に驚きました。どれだけ大量の雪や氷が解けて行っているのだろうかと思うと心細い気持ちになりました。

f:id:Comtes_Lafon:20200811192332j:plain

 ヘレシルトの港からバスで内陸部に入っていきます。走って行くにつれ雪を頂いた山がまじかに見えてきます。氷河に近づく実感が沸いてきてわくわくしてきました。

 1時間半位走ってバスはブリクスダール氷河観光のための観光センターやレストランがある大きな駐車場に到着します。レストランの裏に大きな滝が落ちているのが印象的でした。この滝が、高さも水量もかなりのものなので以下に動画(音声なしです)を貼り付けておきます。



カートで氷河前に移動

 ここから氷河まではまだ距離があるので、バスを降りて6人乗りのカートに乗換えて出発します。道路は充分舗装されているのでカートの乗り心地は良好です。

f:id:Comtes_Lafon:20200811192502j:plain

f:id:Comtes_Lafon:20200811192520j:plain
 カートは林の中の道をどんどん進んで行きます。日本人はたいていカートに乗って行きますが欧米人はカートには乗らずに氷河の前まで歩いて行っている人が多いようでした。

f:id:Comtes_Lafon:20200811192602j:plain

f:id:Comtes_Lafon:20200811192621j:plain

 カートは3人ずつの2列のベンチシートになっているのですが、それぞれのベンチシートの前にビニールシートが用意されていました。何に使うのだろうかと思っていましたが、しばらくして前方に大量の水しぶきを上げた滝が見えてきて納得しました。

 滝のすぐ前の橋をカートが通る時に大量の水を頭の上から浴びることになるのです。ビニールシートを頭から被って水しぶきをしのぎました。まるでUSJなどのレジャー施設にあるアトラクションのようです。
 それにしても、滝はすさまじい水量です。滝の前を通過した後はカートは山をどんどん登っていきます。

f:id:Comtes_Lafon:20200811192740j:plain

f:id:Comtes_Lafon:20200811192812j:plain

f:id:Comtes_Lafon:20200811192847j:plain

 氷河のすぐ近くまで到着すると、カートを降りて徒歩で氷河の前まで向かいます。カートを降りた所には「氷河の近くを歩くな。」などの事故防止のための警告が書かれた看板が立てられていました。林の間の小径を徒歩で進んでいくと氷河が見えてきました。

f:id:Comtes_Lafon:20200811192934j:plain

f:id:Comtes_Lafon:20200811192955j:plain

氷河の正面に到着

 やがて左右両側が高い山になっている広く開いた場所に出ました。
ここが氷河の正面です。谷の中央部は湖になっていて、正面には山のくぼみから氷が滝のように落ちてきています。
 氷が青い色をしているのが氷河の氷の特徴です。氷は地面までは届いていなくて中腹のあたりで切れています。

f:id:Comtes_Lafon:20200811193049j:plain

f:id:Comtes_Lafon:20200811193116j:plain

 氷河を見た印象としては、決して圧倒的な量感は感じませんでしたが高い山から氷が落ちてきている景観はめったには見れらないものだと思いました。

 しかし、とにかく冷たくて強い風が常に吹き抜けていて、記念写真を撮っている時にも強い風には閉口しました。体感的には相当寒く感じて夏だと言っても半袖なんかではとても居られないような寒さでした。

28年前の氷河の写真との比較

 実は家内が今回の旅行のさらに28年前、独身時代に母親とこの同じ場所を訪れていました。その時は今のようにカートではなく馬車で氷河の前まで移動したそうです。その時の写真が以下です。

f:id:Comtes_Lafon:20200811193219j:plain

 どうやら2004年に馬車を引く馬が暴走して追突横転事故が起きて観光客に怪我人が出てから今のようなカートになったらしいのですが、馬車の方が情緒があって素敵だと思うので無くなってしまい残念です。

 また、その時の氷河の写真も残っていました。以下がその時の写真です。

f:id:Comtes_Lafon:20200811193306j:plain

 氷の量がとんでもなく多くて圧倒的な量感です。地面までたくさんの氷が押し出されているのが見えます。できれば28年前に来てこの景観を見たかったものだと思います。再度、昔(1987年)と今回(2015年)の2つの写真を並べてみました。

f:id:Comtes_Lafon:20200811193306j:plain
f:id:Comtes_Lafon:20200811193517j:plain

 この氷の量の差は圧倒的です。28年前にあった氷河の氷の多くは解けて無くなってしまっているのです。地球温暖化が長期間に渡って確実に進行していることが目で見て判ります。「地球温暖化なんてフェイクニュースだ。」と言っているトランプ大統領に見せつけてやりたい写真です。

 ノルウェイは今は水が豊かな国で水道の水をそのまま飲むことができますが、このまま地球温暖化が進行することで氷河の氷や雪が急速に解けていってしまい、将来水資源が枯渇して水を輸入しなければいけない国になってしまうのではないかと心配になってしまいます。

 氷河を見た後は再びカートに乗って観光センターの所に戻ります。大量の水しぶきの滝の前の橋を渡る時には虹が見えました。

f:id:Comtes_Lafon:20200811193656j:plain

 この後、裏に大きな滝が落ちているレストランで昼食を取り、今日はラムダールという町で宿泊となり、明日はソグネフィヨルドのクルーズ船に乗る予定です。

北欧 次の記事
www.innerhills.com