タリン郊外にあるカドリオルグ宮殿とは
タリンはエストニアの首都で、旧市街は中世の面影が残っており、世界遺産に登録されています。タリンはバルト海に面していて、バルト海を挟んで対岸がフィンランドのヘルシンキという位置関係にあります。
タリン旧市街から数キロ離れたところに「カドリオルグ宮殿」があります。約300年前の18世紀にロシアのピョートル大帝が妃のために建設した宮殿で、赤と黄と白色にデザインされた建物は端正で、建物の前にはよく手入れされた庭園が広がっていて美しい宮殿です。
タリン旧市街の観光
タリンの旧市街を散策します。丘の上にあるトームペア地区には国会議事堂として使用されている建物があり、その前が広場になっています。その広場に面して建っているのが「アレクサンドル・ネフスキー大聖堂」です。19世紀末にロシア皇帝アレクサンドル3世によって建設されたロシア正教の教会で、タマネギ屋根が特徴の建物は旧市街の建物に中でも、その存在がきわだっています。
トームベア地区の一番高い場所にトームベア城があります。城の一角に建っている塔は「のっぽのヘルマン」と呼ばれていて、てっぺんには誇らしげにエストニアの三色旗が掲げられています。
広場に戻って展望台に向かって「聖マリア教会」の横の道を進みます。途中で建物の前に座って、4本弦のバイオリンのような民族楽器を持って演奏している人を見ました。
展望台からの景色はカラフルな建物がところ狭しと並んでいて、まるで絵本に出てくるおとぎの国の景色のようです。中央に見えている高い塔は「聖オラフ教会」です。
小高いトームベア地区から歩いて旧市街の中心部に下りていきます。タリンの街には高い城壁が残っている場所が多くあって、中世の雰囲気が漂っています。
旧市街の中心部には「ラエコヤ広場」があり、マーケットが開かれていて多くの人で賑わっています。広場には観光客相手の、いわゆる輪タクが客待ちしています。広場に面して「旧市庁舎」や「Apteek」と書かれたヨーロッパで最古の薬局があります。薬局の奥の部屋は展示室になっていて、入っていくと昔の器具や写真が展示されていました。
石だたみの路地を散策します。「カタリーナ通り」は石造りの壁に囲まれた路地です。視界がさえぎられることで、まるで中世の時代に迷い込んだような気分になります。路地には小さな区画を流用して、工芸品などを販売する店が並んでいます。
「カタリーナ通」を抜けると、「セーターの壁」と言われている、高い城壁の壁に沿って露天が並んでるところに出ます。セーターだけではなく、ミトンや靴下や帽子などの編み物が売られています。
「セーターの壁」の城壁を過ぎて左に曲がると、旧市街の入口である「ヴィル門」に出ます。左右一対の赤い三角屋根の塔が特徴です。この「ヴィル門」から入った真っすぐの「ラエコヤ広場」に至る道が、タリンのメインストリートになります。
タリンの旧市街を取り巻く城壁の一部は、実際に登ることができます。「セーターの壁」の露天が途切れたところに入口があります。入口の前に立って見上げると城壁の一番上に、通路があって人が立っているのが見えます。ビルの4階位の高さでしょうか。この入口で料金を払えば内部の階段を登って、その通路に出ることができます。
城壁の上の通路は人が何とかすれ違うことができる程度の道幅で、床と壁と天井が石造りで木造の手すりが取り付けらていています。通路は真っすぐではなく旧市街を取り巻くように、少しカーブしていています。通路から下の路地を見下ろすと、かなりの高さに感じます。城壁から見た街の景色の向こうに見えている塔は、展望台からも見えていた「聖オラフ教会」です。
城壁から下りて旧市街の散策を続けます。細い路地を入っていくとカフェがあったり、おしゃれな店があったりします。「職人たちの庭」と呼ばれている中庭では、弦楽器の演奏がされていました。
旧市街の一角の三叉路に「猫井戸」と言われている井戸跡があります。縁に腰掛けることができ、黒い屋根が日よけになるので観光客の休憩場所になっています。
「聖ニコラス教会」は第二次世界大戦でソ連軍の爆撃によって建物だけでなく、保有していたほとんどの文化財も徹底的に破壊され、戦後再建されたものの教会としては機能しておらず、博物館として残っています。
内部を見学するとステンドグラスが美しい教会で、正面の祭壇に該当するところに数多くの絵が描かれている金縁の立派な屏風が展示されていました。
正面とは反対側には「死のダンス」という絵画が展示されています。横方向に長い絵画で、人間と死神が交互に描かれています。これは身分の高い低いに関係なく、死は人間に平等にやってくることを意味しているのだそうです。
スリーシスターズホテルでの夕食
今日の夕食は「スリーシスターズ(三人姉妹)ホテル」という歴史的な建造物を改装したホテルのレストランで頂きます。平成19年の5月に天皇皇后両陛下が宿泊したことで有名になったホテルです。
同じ高さのカラフルな建物が3軒隙間なく並んで建てられているのを見ると「三人姉妹」という名前に納得できます。食事も満足できるものでした。写真はスモークサーモンのマリネサラダです。
バルト三国の観光はここまでです。明日は帰国のためにタリンクシリアラインという船に乗って、バルト海を渡って対岸のフィンランドのヘルシンキに向かいます。
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