リガ中央市場の様子は
ルンダーレ宮殿からリガ市内に戻ってくる直前に車窓から高い塔が見えます。大きな川沿いに建っている3本脚の塔で、上の方にいくにつれ急に細くなっていて全体にスマートな外観の塔です。
この塔はリガ地区の放送用のラジオ&テレビタワーです。高さは368.5メートルなので東京タワーより少し高い塔ですね。途中に展望台もあるようです。
リガ市内に戻ってきました。まずリガ中央市場に向かいます。中央市場は規模が大きく、体育館のような巨大な建物が5つくらい建っていて、その中が市場になっています。この巨大な建物は、かつてドイツの飛行船の格納庫だったのだそうです。
市場の中には海産物や蜂蜜やパンやチーズやお肉、雑貨も販売されています。屋台やカフェなどもあります。規模が大きいので一通り見て回るのに30分位かかり、建物が複数あるので迷子になってしまいそうです。
リガ市内を散策しての観光
世界遺産に指定されているリガの旧市街に移動します。ここには中世のハンザ同盟時代の歴史的な建物が多く見られます。旧市街の中心にある市庁舎広場に面して建っているアーチ型の門のあるひときわ豪華な建物は「ブラッグヘッド会館」です。
15世紀に独身貿易商の友好会「ブラックヘッド」の社交場として建設された建物です。第二次大戦で破壊され、20年くらい前に再建されたのだそうです。正面の門の向かって右側にはエチオピア生まれの守護聖人であるマリティウスの像が刻まれています。「ブラックヘッド」という名称はこの黒人の守護聖人にちなんでつけられた名前だそうです。
建物の正面上部には、ハンザ同盟の主要都市であるリガ、ハンブルグ、リューベック、ブレーメンのそれぞれの紋章が浮き彫りされていて、その下にギリシャ神話に出てくる神々の彫刻が取り付けらています。一番上は時計台になっています。
市庁舎広場には玄関の青色と白色に色分けされ4本柱が特徴のリガ市庁舎も建っており、広場の近くには高い尖塔が特徴の聖ペテロ教会も建っています。
聖ヨハネ教会は赤と白の縦じまが特徴です。この教会の一角に何やら動物のモニュメントのようなものがありますが、これはブレーメンの音楽隊の彫像で、下からロバ、犬、猫、ニワトリが背中に乗って、4匹が口を開けて歌っている様子の彫像です。
同じハンザ同盟の姉妹都市であるブレーメンから寄贈された彫像なのだそうですが、ロバや犬の鼻先は観光客が頻繁に触るのでピカピカに光ってしまっています。
石だたみの路地を歩いていき、何やら酒瓶のようなボトルがたくさん並んでいる棚があり、そのすぐ横にある入口から建物の中に入って行きます。店の中は飲み物や軽食やチョコレートを提供するカウンターがあり、いわゆるカフェのような店でした。照明が暗めで木調で統一された内装はクラッシックな雰囲気で素敵です。そのまま店の中を通過して店の正面に抜けました。
ここは「ブラックマジック」というカフェで「ブラックバルサム」というお酒を扱うことで有名なカフェなのです。「ブラックバルサム」とはラトビア特産の薬草を漬けこんだリキュールで、アルコール度数は45度もあります。
元々は薬として扱われていたそうで、今でも風邪気味で寒気がしている時に回復するために飲んだりするそうです。日本のたまご酒のようなものなのでしょうか。「ブラックマジック」ではカクテルにしたり、コーヒーに入れたりして提供してくれます。
街を散策すると琥珀を売っている店があります。バルト三国のあるバルト海沿岸は世界的な琥珀の産地で、世界の琥珀の2/3はバルト海沿岸で採れたものなのだそうです。
店に入ると実に様々な琥珀が展示、販売されています。色も黄色だけではなく、緑色のものや青色をした琥珀もあることを知りました。
「猫の家」の屋根には猫の像が取り付けらています。かつて「猫の家」の主はラトビア人の商人だったそうですが、向かって左の建物にあった大ギルドという組合に入会を希望したところ、ドイツ人でないこをを理由に断られたために、腹を立てて大ギルドの建物に猫のお尻を向けたそうです。その後入会が認められて今では向きを変えて猫は頭は左を向いています。
「リガ大聖堂」の横を通り散策を続けます。「三人兄弟」と言われている古い3つの建物は、それぞれ建築された年代が異なり、その年代ごとの異なる建築様式で建てられていることでそう呼ばれています。
一番右の白い建物が15世紀に、真ん中の黄色い建物が17世紀半ば、一番左の建物が17世紀末に建てられ、それぞれ長男、次男、三男と呼ばれています。三男の建物の間口が狭いのは、間口に比例して税を徴収されるようになったたためだそうです。
「スウェーデン門」はかつての城壁の名残で、今ではリガで唯一残っている城門です。かつてリガの娘さんがスウェーデン兵との密会をしていた罰としてこの門に埋め込まれたという伝説が残っています。
煉瓦造りの巨大な塔は、横の建物と合わせて戦争博物館です。
夕食会場でのクアクレ演奏と唄
今夜の食事はリガ市内の「Alus Arsenals」というレストランで頂きます。半地下で窓がなく照明を落とした室内は、まるで洞窟のようで落ち着いた雰囲気です。
一通り食事を終えたときに、ラトビアの民族衣装を着て、クアクレというラトビアの民族楽器を持った若い女性が現れて肩に掛けたクアクレを弾きながら何曲か唄ってくれました。
自己紹介によると、彼女の自宅はリガ市内から車で2時間位かかる郊外にあって、今日は父親の運転する車でここまで送ってもらったそうです。付き添いで来ていた父親と弟が紹介され拍手が起き、家族ぐるみの出演でなごみました。
クアクレの音色は素朴で女性の澄んだ歌声とともにラトビアの文化に触れたように感じました。このときの演奏と唄を動画で撮影していますので以下に添付します。
よほど自信があるのか、演奏が終わった時の「どうだ」といわんばかりの仕草が素敵です。
明日はラトビア最大の国立公園であるガウヤ国立公園の観光に向かいます。
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