インナーヒルズの愉快で心がはずむ旅行記

写真/動画による旅行先での非日常的体験の記録

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夜明けのアンコールワットと逆さアンコールワット

夜明け前のアンコールワットに移動

 観光2日目はいよいよ「アンコールワット」遺跡の観光です。ホテル出発の時刻は午前5時、当日の日の出の時刻が6時20分頃なので外はまだ真っ暗です。「アンコールワット」遺跡はシェムリアップの町中からバスで10分位走った所にあります。昨日訪れた「アンコールトム」や「タプローム」より近い位置にあり、町のはずれに遺跡があるという感じです。

 遺跡近くの路上でバスを降りて歩いて遺跡に向かいます。当日の月齢は27.2で月明かりはなく、真っ暗で足元が見えない状況でした。前もって予想していたので、日本から持ってきた単4電池1本で点灯する小型のLEDライトで足元を照らしながら前に進んで行きます。

 暗くても現地ガイドは慣れているのでどんどん先に進んで行き、その後をついて行くのですが一体どこに向かって歩いているのか全く判りませんでした。やがて現地ガイドが「ここで見ましょう。」というので石造りの建物の上に上がりました。建物の上には私達以外にも多くの人が座っており、空いている場所を見つけ石の上に座りました。

 後で判ったのですが、ここは「アンコールワット」遺跡に向かう参道の右側にある「経蔵」という建物で遺跡の一部だったのです。つまり遺跡を眺めているつもりが実は遺跡の上に座っていたのです。

 あたりは真っ暗で最初は観光客の持っているライトの光しか見えなかったのですが、目が慣れてくるとうっすらと「中央祠堂」のシルエットが見えてきました。空を見上げるとたくさんの星が出ていて、右前方に左右逆の三ケ月が空低くに出ていました。

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アンコールワットの朝焼けの空

 時間が経つにつれ少しずつ空が明るくなってきて、それにつれて「経蔵」の周辺の様子も少しずつ見えてきました。「経蔵」の周辺は空地になっていて、立ったまま見ている人や倒れている石の上に座って見ている人も居ました。観光客目当てに温かいコーヒーを売りにくる業者も居て、商魂たましいなあと思いました。

 さらに時間が経過して明るくなった事で星も見えなくなり、地平線のあたりがオレンジ色に変わってきました。空の上方にいくにつれてオレンジ色が青色に変わっていくグラデュエーションが素敵です。都会では夜明け前の空を眺める機会がないので、こうやって朝焼けの空を目の当たりにすると「地球って何て美しいんだろう!」って思ってしまいます。

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 時間が経過すると地平線のオレンジ色は一旦消えて青色に変わりますが、さらに時間が経過すると地平線の一部がさきほどよりさらに明るくオレンジ色に染まってきて、いよいよ太陽が顔を出す時刻が迫ってきました。

アンコールワットの朝日

 太陽は「中央祠堂」より右寄りの位置から昇ってきました。観光客は一斉にカメラやスマホを向けて朝日の景色を撮り始めます。私達も「経蔵」から降りて撮影のベストポジションを探して移動します。

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 すっかり夜が明けると広場には、たくさんの人が居ることに気が付きます。夜が明けるまでは立ち止まっていた観光客も、方々に移動して写真を撮ったり遺跡に向かって歩き始めたりしていました。

 「アンコールワット」遺跡は正確に西向きに建てられているので約1か月後の春分の前後なら「中央祠堂」の真ん中から太陽が昇る事になります。ただし雨季にさしかかるので空が曇っていて朝日自体が見えない日もあるでしょう。今回は乾季に来たこともあり晴天に恵まれ、無事に朝焼けや昇る朝日を拝むことができました。

 後ろを振り向くと、さきほどまで居た「経蔵」が見えます。今は観光客が自由に登ることができますが、今後建物が傷んできたら立ち入り禁止になるかも知れません。

 「経蔵」の向こうに白い気球が上がっていました。気球に乗って昇ってくる朝日を見る人も居るようです。もし次に来る機会があれば是非乗ってみたいものです。

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聖池に写る逆さアンコールワット

 遺跡の手前に「聖池」という大きな池があり、その前に移動すると、池の水面に「アンコールワット」遺跡のシルエットが逆さに映って、逆さアンコールワットの形に見えます。これほど幻影的な景色ならば、誰が撮影してもプロ並みに上手に撮影できます。

 シルエットで浮かび上がる「中央祠堂」の独特な形をした5つの尖塔が並んでいてる光景は、とても印象的なので一度見たら忘れられません。

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 このあと長い参道を通っていよいよ「アンコールワット」遺跡の中に入っていきます。

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